6.14.2008

授業

 Rome Courseも半分が終わりましたので、ここで私が受講している各授業について、少し書いてみたいと思います。なお、授業の印象等はその人のバックグラウンド(特に英語力)によるところが大きいので、その点を割り引いてお読みください。

1. 全般

 すでにTUJでひとつでも授業をとっていればお分かりのとおり、事前にassignment(宿題)が与えられ、授業はそれを読んでいることを前提に進められます。TUJでは、仕事を持っている学生のほとんどは週に1コマしか取っていないため、ともかく1週間のうちにassignmentを終えればよいのですが、Romeでは毎日3科目分のassignmentをこなさなければならないので、かなり大変です。率直に言って、私自身は読み切れていません。
 最も気になるのがcall on(指名)ですが、幸い私が取っている授業は、いずれも無作為に指名されることはありません。ただ、Comparative Constitusional Lawsでは、毎回当てられるそうです。
 授業では、当然といえば当然ですが、日本人のための配慮はありません。英語の聴き取りにはかなり苦労をしています。

2. Intro to European Union Law

 内容はEU法ですが、もとより全部やるわけにはいきませんので、ある程度Topicをしぼっています。前半はEUにおける基本的な法制度、基本的人権などを勉強しました。後半はカルテルや合併規制など競争法的な規制を中心に進めるようです。

 担当はTempleのProf. Mehraですが、4回ほどItaliaの大学の先生が話をしました。

 EU法は日本法とも米国法とも異なるため理解するのは容易ではありませんが、しかし、後に触れるGlobalization & Constitutionのように「つかみどころ」のない話ではなく、仕組みとか基本判例など学ぶべきところははっきりしていますので、その点では履修しやすい科目だと思います。


3. Comparative Bioethics

 内容は、生命倫理と法です。最初の概説あたりは理解しにくかったですが、その後、インフォームド・コンセントや妊娠中絶の話になって、具体的で理解しやすくなりました。今後は生と死、人体(特に遺伝子)を利用した実験、臓器移植、保健政策などが予定されています。
 担当は、今回唯一の外部講師であるVillanova UniversityのProf. Wertheimerです。もちろん授業に熱心なことは他の先生と変わりありませんが、3人の先生のなかでは最も気さくな印象です。話も理解しやすいのですが、時々非常に早口になってついていけなくなります。
 授業は、先生の話と学生の発言が交錯しながら進められます。1名、カナダの看護師だった女性のJ.D.がいて、自分の経験に基づいた話をしています(私はあまり聴き取れませんが)。医療事故の話が多いので、私としては、米国のTort(不法行為法)を履修していないのがハンデになっています。



4. Globalization & Constitution

 私が、今、最も苦労している科目です。
 内容は、グローバリゼーションが進むなかで米国憲法がどのような影響を受けているか、というもので、これまで戦争権限、外交権限、連邦制度と話が進んできました。
 担当は、TempleのProf. Spiroです。
 授業は学生の発言を中心に進められますが、はっきり言ってJ.D.の話はほとんど聴き取れず、その結果、授業の90%は理解できていない状態です。先生の話し方も、何度も言い換えたりするので筋をつかみにくいうえ、結構難しい表現を多用するので、英語力の低い私にとってはつらいです。また、大半の学生は米国憲法を履修済みであるのに、私は履修していないこともハンデのひとつです。日本人学生も私ひとりですので、助け合うこともできません。assignmemtも、分量は少な目であるものの、米国憲法の基礎知識がない者にとっては難解なものばかりで、読むのに非常に苦労しています。
 何とかしなければと焦り、必死にassignmemtをこなそうとすると、かえって他の科目にしわ寄せがいってしまうという悪循環にも陥っており、何だか絶望的な気持ちになっています・・・。
 ただ、内容面から言えば、実は3科目のなかで最も知的好奇心をかきたてられる科目でもあります(といって、一応フォローしておきます)。


 
教室の風景。冷房がきつく寒いので上着の用意を・・・。

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