7.05.2008

Rome courseを振り返る

 同室のJくん、Pくんを含むほとんどのJ.D.と、それから騒々しかったundergraduate(学部生)たちが去り、Residenceはひっそりと静まりかえっています。 試験の結果も出ていないのに総括をするのは少し早いのかもしれませんが、日本に帰国すると仕事の山が待っていますので、ここで私なりに簡単に整理してみたいと思います。
 まず、Rome courseの位置づけですが、基本的にはTemple Law Schoolの1L(1年目)を終了したばかりの学生を対象に、Italyを中心とする観光を楽しみながら、4~6単位を取得できるというprogramです。1LはLaw Schoolで最も大変な1年間と言われていますから、学生たちはようやく1Lを終えた解放感いっぱいで参加することになります。ほとんどの学生たちにとって、Romeでは勉強は二の次であることは確かです。大学側もそういった状況は十分承知しており、全体的にはのんびりとした雰囲気で進められます。例えば出席も、規定上は2割以上欠席すると落第なのですが、実際のところ出席を確認することはあまりありません。少し言い過ぎかもしれませんが、観光をしながら「おまけ」で単位がついてくる、という感じで、J.D.たちにとってはとても楽しいextra semesterなのだと思われます。
 しかし、TUJ生にとってRome courseはどうかというと、少々事情が異なります。確かにRomeでの生活は得難い経験ですが、non-nativeにとってはassignmentをこなすだけで精一杯で、J.D.ほど観光や生活を楽しめるわけではありません。言葉の点でも、大学はもちろん英語ばかりであるのに対し、街もテレビも新聞もすべてイタリア語ですから、どちらも中途半端と言わざるを得ません。出国前、いろいろな方々から「米国の大学院にいるのに、なぜイタリアに行くのですか」と尋ねられましたが、その疑問は私自身の疑問でもありましたし、いまでもすっきりしたわけではありません。期間が長い点や授業が主に夜である点など短所もありますが、Philadelphia courseを選択する理由は十分にあるように思います。
 一方で、今回のItaly滞在の間にTodi、Pompei、Tivoliなど世界遺産を含むいろいろな史跡を観光することができたのも確かです。また、Romeそのものが長大な歴史が幾重にも折り重なった街で、日常生活のなかで古代の息吹を感じられるのは、おそらくRomeをおいて他にはないように思われます。美味しいイタリア料理やワインを楽しむこともできます。ガイドブックには「スリやひったくりに注意すること」と書かれていましたが、実際のところ、そういう危険は全く感じませんでしたし、連日明け方まで飲み歩いていたJ.D.たちからも、そういった情報は聞きませんでした。Phillyは、やや治安に課題があるやに聞いていますので、こういった点もRomeの利点かもしれません。
 Romeにするか、Phillyにするか。現行制度が続く限り、TUJ生にとって最大の悩みであり続けることと思います。
大学近くの風景。右側がフラミニオ通り

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